「おかしいと思わんかね?」
「何をそんなに騒いでいるんだ」
「昔はね、タウンページなる物があって、とっても便利だった」
「分厚い黄色い本があってね、そこに名前から住所、電話番号が全て載ってたんだよ」
「それも無料でね」
「学校の友達の家に、その本で調べてよく電話を掛けたものだ」
「それが気付けばなくなってた」
「あれは便利だった、とても便利」
「今の時代、プライバシープライバシーってうるさいよなぁ」
「昔も今も何も変わってないのに気付いてない」
「そんなもの、最初からないんだよ」
「どっかの企業から顧客データが流出したとか」
「それを想定してないのかなっていう事なんだよなぁ」
「昔はあんな黄色い本に全国の人のプライバシーが載ってたのにさ」
「最初からそんなもの、ないっていう前提なんだよ」
「カード情報を抜かれたくなかったらpaypalを使うとかさ、素人でもいくらでもやり方はある」
「proxyを2重、3重で刺すんだっていう時代もあった」
「今は、みんな無防備だよなぁ」
「プライバシー?」
「最初からそんなものないんだよ」